「夢をみる作家たち」(3)


高校時代に、半年くらい文芸部に所属していたことを、思い出します。
こんなに文章が書けないのに、どうして?と、思うのですが、それはともかく、
事実は、そうなのです。
結局、広告取りと、文集作りのために先輩の文章の校正の手伝いをしたのみ。
 自分が考えていた以上に、文章を書くことができなかったことだけ、・・・
よく覚えています。あまりに書くことができなくて、挫折。
 本を読むことは好きなのに、文章を書くのは苦手。ずーっと、もしかしたら、
コンプレックスになっていたかもしれません。
 だからか、素敵な文を、目の前に出されると、ふらふらっと、そこへと導かれ
ていくのかと。


そんな私が、こうして下手ながらも、ブログを書いています。不思議。


私のことはさておき、今日は、「夢をみる作家たち」(3)
クライヴ・バーカーさん。


自分の苦手とする文学のジャンル、ホラー作家です。 
真正面から、向き合うことができず、
おそるおそる、後半部分から読み始めました。
インタビュー記事を読んでみると、
書かれている本の表題から想像していたこととは違い、なるほどそうだな〜
と思うことがいっぱいでした。


水戸黄門のテレビドラマのように、主人公は、絶対に死なない、・・・のとは
違い、バーカーの作品の中では、怪物が善玉であり、死ぬのはたいてい
主人公なのだとか。


「僕の作品はどれも、一種の境界領域に関するフィクションだ。・・・
(省略)・・・夢の世界が現実の生活に侵入してきて、
それをほんとうに変えてしまうところを描いたものだ。」


ホラーだけでなく、性欲の世界などを描いた作品のことも、話しておられます。
ますます、私には御しにくいジャンル。


「架空のせかいについてかくっていうのは、その世界と対話することだと思うよ。」


「書くという行為は、じつは、あふれる情報を活かす手段だ。大切だと思うから
言っておくけど、こうした情報は、煮えたぎりながら休みなく頭の中を
かけめぐるだけのくだらない代物じゃない。じつはもくてきがあり、理由があり、
かたちがある。そして、書くのは、自分自身や世の中のことを知り、
自分と世の中との関係を理解するための有効な手段なんだ。」


「・・・自分自身を好きになり、自分の潜在意識が語りかけてくることを
楽しむに限る。」


「ぼくは何を聞いても驚かない。平気だよ。何でも聞くからね。
ぼくは潜在意識に、ってことは顕在意識にも、何ひとつ禁じたりしない」


文章を、ピックアップしてみました。


Clive Barker
1952年、イギリスのリヴァプール生まれ。
短編集『血の本 Ⅰ〜Ⅳ』これは、世界幻想文学大賞
英国幻想文学大賞を受賞。
ホラー作家としての地位を確立する。
主な作品、『ウィーヴワールド』『イマジカ』
最新作、『Coldheart Canyon』