『神秘のモーツァルト』を読んで


フィリップ・ソレルスの『神秘のモーツァルト』を読んでいます。
まだ手に取られてない方に紹介するのは難しいのですが、クラシックを近頃よく聴くようになり、お薦めの本との話を知り、読んでみたくなった本です。
本の表紙には モーツァルト生誕250年の掉尾を飾る鬼才ソレルスが挑む天才の謎と神秘』と書いてありました。


 読み始めると、あたかもモーツァルトの音楽を聴いているかのように、リズミカルに文章が続きます。勢いもあるような、いいままで読んだことのない調子で話が運ばれている感じでした。
 読みながら、家にあるモーツァルトのCDを出してきて、この本の中に書かれている曲をかけてみて改めてじっくり聴いてみました。

 たまたまあったのですが、本文のP.192にも書いてあった、
・幻想曲 ハ短調 K.475 です。
(この作品は、モーツァルトが、住み込んでいた家でのピアノの教え子、マリア・テレージア・トラットナーに、捧げられたようです。)
・・・・以前にも、聴いたことのある有名な曲でしたが、曲が作られた背景とかを知ると、また違った気持でまさに、曲を理解しようとして聴くようになります。


>音楽が真率に伝えてくるものに耳を傾けさえすれば、それでいい。この曲はモーツァルトの偉大な傑作のひとつであり、感情に突き動かされた、悲劇的な、ピアノのための真の小説なのだ。(P.192)

とありました。

音楽を聴いていると、たまにですが、心が音楽の中に入り込んで、知らないうちにほろっと、涙が出てしまう時がありますが、音楽の中にある作曲者や演奏家のメッセージが、自分の心の波長とぴったり合う瞬間なのかもしれませんね、そういう時は。

 曲を理解して感じ取ることができたとまではいかないでも、いい曲。いい演奏。と、感じられる時は、・・・・モーツァルトが作曲した時と、現代(今)が、重なり合って時間の隔たりがなくなる瞬間かもしれない、・・・・と、そんなことを考えてみたりしました。

なかなか、この本、おもしろいです。(まだ、読みきっていないので、しっかりお伝えすることができませんでした。)今日のところはこのあたりにておしまいにします。

神秘のモーツァルト

神秘のモーツァルト