春の院展 (2)

 昨日の『春の院展』を見ての感想のつづきです。
きょうは、印象深かった中から、お一人に絞って書くことにします。
どれもすばらしい作品ばかりですので、私がいろいろ未熟な感想を並べるより、好きだと思った絵のことを少し書くほうがいいかとも思いまして・・・。


 たくさんある絵の中で、自分のその時の心の状態にもよるのでしょうが、手塚雄二さんの「春」と言う絵が気になりました。絵をご覧になっていない方にはわかりにくいと思いますので少し紹介しますと、桜吹雪の中、小鳥が1羽飛んでいます。ふぶいている桜の花びら1枚1枚はピンク色ですが、桜の枝や花はシルエットになっていました。着物の柄のようでもあり、日本古来の上品な抑えたあでやかさのようなものを感じ、かわいさもあって心をなごませます。
 手塚雄二さんのお名前は今回初めて知りましたので、インターネットで色々学習しました。


 あちこち読んでいましたら、苦しい点は、というインタビューの中で、公募展に出しだしてから本当の地獄を味わったということを話しておられました。努力して努力して努力して、畳2枚分くらいの絵を出品して、はがき1枚、「落選しました。」という知らせを見たときの落胆の度合いはハンパではないとのことでした。そういう苦しみを何度も乗り越えてこられたのでしょう。他の画家の方もそうでしょうね。でも、上手下手ではなく、絵が心から好きな人が画家になれる、そのような事をおっしゃっておられました。
そうだろうなと、たくさんの絵を前にしても再確認します。

少しですが、今日は手塚雄二さんの「春」の絵のことを書いてみました。


※写真は、今年春の桜です。(広島の造幣局