『花終る闇』を読みつつ
近くの高校のグランドから、軽快な音楽や、拡声器を通して先生の指示の声が響いてきます。毎年恒例の運動会シーズンが来たのだと気付かされます。
変化のあまりない生活を送っていますと、こんな生活から離れた“音”にも、刺激をもらいます。
さて、家事の合間に近頃、開高健さんの『花終る闇』を読み始めました。感想を書くのはいつになっても、なかなか難しいのですが、修行だと思って書き始めます。
- 作者: 開高健
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1990/03
- メディア: 単行本
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まだ全部読み終えたのではないので、あらすじをまとめて書くことが出来ません。つまみぐいのように、とばしとばしページをめくっていますが、この小説でも今まで読んだ小説やエッセイの時のような行間から“信頼感”が湧き起こってくるような、開高健さん独特の世界を感じます。
この独特の世界って、どんなの?と言われましても、うまく表現できないのですが、ユーモアを含んでいて、文章も(読めない熟語には悩まされますが)わかりやすく、美しい言葉、表現の仕方にたくさん出会うことができ、充実感・満足感に浸れます。開高さんの(小説だから作り事なのかもしれませんが)本心を吐露しておられるのではないかと思うような、真剣勝負の気配を感じます。
一読者に誠実に対面して文章を書いておられるから、本文にも書いておられるように遅筆になられるのかとも想像しました。
この小説は3人の女性を中心に話が流れていますが、小説の最初のところに“「漂えど沈まぬ」という題に決めて書き出した。”とあることから私がふと思ったのですが、主題は“男女の愛”だろうかと。だとすれば、「沈まぬ」・・・・なぜ、沈まないんだろうかと、疑問になります。このあたりは、またじっくり読んで、感想書きます。
あっという間に、時間がたってしまいました。きょうはこのあたりにします。