再興 院展を見て

昨年は1月に再興院展、8月にははじめて春の院展にも出向き、芸術鑑賞の機会が増えてきました。
今年もまた院展の時期が来ました。広島では2日前の1月17日から(1月29日まで)、福屋広島駅前店と福屋八丁堀本店の2会場で始まりました。
ブログに絵画展などの様子を書くようになりますと、今回も「行かなくては・・・。」と、自然に思ってしまうところがあります。もちろん、回数行くほど、いい絵を見る楽しみを知ったからでもあるのですが。
さっそく、昨日出かけて来ました。


広島駅前の福屋の会場から見ることにしましたが、大作がずらっと並べられていて、いつもながら「すごいなあ」と、息を飲みます。
平山郁夫さん、西田俊英さん、那波多目功一さん、手塚雄二さん、・・・
お名前を覚えた方の絵の前では、特別じっと立ち止まり、近づいたり離れたりしながら鑑賞します。
平山郁夫さんの「古代ローマ遺跡 エフェソス・トルコ」は、大変大きな作品です。遺跡の背後にひっかいたような描き方の大勢の兵士たちが戦場に向っている様子が描かれていましたが、夢の中のような雰囲気で、そんなところが古代へと見る人を送ってくれるような所があります。
西田俊英さんの「惜別・櫻」は、白馬に乗った女性が、櫻吹雪の舞い散る中を駆け抜ける際に、振り向いている情景のようでした。女性の横顔が素敵で印象に残ります。
那波多目功一さんの「惜春」では、白いボタンの花と地面に散っている花びらとが、春が過ぎていく、惜しむ気持ちなどが抑えた色合いから流れ出すようでした。
手塚雄二さんの「憬」は、秋の野山のいつもは目立たないススキの仲間や蔦の葉などがシックな感じで描かれていました。
原色を使ったような派手な作品は少なく、全体に抑え目の色使いのものが多い気がしました。
帰りがけに立ち寄った売店のところで、お客さんと販売員の方の会話を耳にした中で(額絵を購入しようとしておられたのですが)、「家に帰った時に、どんな絵を目にしたいと思いますか。」「そう思って選ぶと、男性は少し暗い色合いの絵を、女性は明るい色合いを望まれる事が多いです。」・・・そんな感じのことを話しておられました。
確かにそういった傾向がありそうなのは、想像が付きます。


この他に、目が惹きつけられた、山田 伸さんの「幻影」ですが、花の好きな私の好みも影響しているのでしょうか、この絵のユリの白さが、心に訴えてくるものがありました。周りに配してあるたくさんの草花も美しいものでした。
また、小野田尚之さんの「午後の駅」も、水の張ったたんぼの水面に映る、駅や樹木の陰がみずみずしくて、絵の前で自然に足が止まります。いつも、写真などを見ている時に、水面に映る風景を見て心惹かれるのと同じような、そんな素敵な1枚でした。
また、新聞でもあらかじめ見ていた下田義寛さんの「暁光」の富士山に出会えました。
福屋八丁堀本店のほうでも、松本哲男さんの「文明 オーストラリア アボリジニはどこに」という、独特の絵の世界に引き込む絵や、大作がずらりと並んでいます。真近で大作を眺める事ができる貴重な一時を、噛み締めながら、少し最後の頃には集中力がなくなりそうにもなりながら、見終わりました。


役に立つ感想にはなりませんが、私の鑑賞記録として残したいと思い書き出しました。最後まで読んでくださった方に感謝いたします。


追記:中国新聞のサイトに院展の動画が、案内されていました。興味のある方は、こちらにアクセスしてみて下さい。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200801170189.html