大阪フィルハーモニー交響楽団

昨日は、大阪フィルハーモニー交響楽団のコンサートに呉市文化ホールへ出かけてきました。
会場のある呉というのは、広島市の南東にありJRでの移動だと快速に乗れば広島駅から30分位で到着します。映画の好きな方だったら、“海猿”や“男たちの大和/YAMATO”のロケ地ともなった町といえばご存知かもしれません。
近くにありながら、素通りする事はあってもJR呉駅に降り立ったのははじめてでした。知らない土地を訪れるのはそれだけでもスリリングな感覚があり、それと本命のオーケストラの演奏も待っていて、日常の生活とは離れた時間を過ごしました。


早めに会場に行き開演までたっぷり時間があったので、その間舞台の準備をじっと眺めていました。ピアノの調律もたんねんにしておられました。今日はどんなピアノの音色が聞けるのだろう。調律によってもピアノによっても曲の感じが変わるのでしょうが、きょうの小曽根さんのピアノはどんな音色で聴けるだろうかと、あと少しで聴けるピアノの音色を楽しみに。
2曲目のラプソディー・イン・ブルーの曲の感想からになりますが、曲が始まってしばらくは、予想していたピアノの音色より少し重量感のあるような気がしましたが、曲が中盤になるにつれその重量のある音が、踊るようなリズム感を持った独特の世界へと誘ってくれました。これぞ小曽根さんワールドというのでしょうか。(初めて聴きましたのでかってにそうお思っただけですが。)クラシックの音楽の世界からいつのまにかジャズの世界へ飛び、自由に、キラキラと、躍動感を持った感じで弾いておられました。
私がそう思ったように他の方々も思われたのでしょう、多くの拍手が会場に響き、小曽根さんはアンコールに応えもう1曲ソロでジャズピアノの曲を聴かせて下さいました。
ラプソディー・イン・ブルーとはうってかわったような、静かな感じの曲。曲名はちょっとわかりません。途中、30年も前に聴いた“キース・ジャレット”のジャズ・コンサートを彷彿させる様な(実際に目の前で見たのはキース・ジャレットの演奏しかないので他の演奏スタイルが思い浮かびません。)ひさしぶりにジャズピアノの演奏会もいいなあ・・・。そんなことをふと感じました。


話がさかのぼりますが、最初に演奏されたのは、ラヴェルの『道化師の朝の歌』です。この曲は『のだめカンタービレ』のCDでしっかり予習していましたので余裕を持って聴けました。大植さん指揮の今日の曲は、とてもゆったりとした暖かい弦の響きに包まれながら始まりました。オーケストラのコンサートを生で聴くのは本当にひさしぶりだったので、舞台を遠くに見るような2階席だったのにかかわらず、日常からかけ離れた世界へといっきに連れて行ってもらえます。


大植さんの指揮は、エネルギッシュで、また時には叙情的にも変化します。
私は指揮者のことに詳しくないので感想を述べるのは難しいのでこの辺にしますが、曲全体を聴いていて映画を見ているような、音に色彩を感じました。オーケストラのそれぞれの楽器の音に耳を澄ませたり、音の重なりにうっとりしたり、迫力に力付けられたりしました。 


ベルリオ−ズの幻想交響曲 作品14も素敵な交響曲でした。2台のハーブの音色、人数も多かったティンパニーや太鼓などの打楽器の音、木管楽器金管楽器、弦楽器・・・と全ての楽器の出番が用意されていて、オーケストラならではの醍醐味を味わえます。
曲を聴きながら、「この交響曲のことをもう少し勉強しておけばよかったな」と言うのが私自身の反省でした。そうすればもっと演奏を深く楽しむことが出来たかもしれません。
前もっての知識がないままでの感想として、2楽章は好きだと言う事、また終わりごろの盛り上がりは会場の観客をまるごとベルリオーズの世界へと運んでくれるような勢いがありました。


鳴り止まない拍手に応え、ここでもアンコール。
大植さんのごあいさつのあとにエルガーエニグマ変奏曲から「ニムロッド」が演奏されました。


この曲は最初の音から夢の世界、理屈ぬきにどっぷりと、“美しいハーモニー”に浸りました。


何も知らないのですが、素人の備忘録ということで許してもらえることを願ってクラシック音楽鑑賞のことをきょうは書いてみました。