オースティン『高慢と偏見』

先日来、名古屋や横浜でお会いした方々から私のしばらく書いていた『カラマーゾフの兄弟』のエントリーを楽しみにしてました。と、直にお聞きする事ができ、何かまた、読書感想書いてみようと、その気になってきました。
今、気になっているのは、ごく最近といえば、もちろん倉橋由美子さんの『シュンポシオン』でしょう。今度の12月の集まりに名付けられた「シュンポシオン横浜」の中の言葉です。「シュンポシオン」の意味をよく知りたいのと、倉橋さんの本を読んでみたかったのとで、借りて見ることにしました。その感想は後日。

シュンポシオン (新潮文庫)

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さしあたって、『カラマーゾフの兄弟』の次は、ジェイン・オースティンの『高慢と偏見』を読むことにしました。先にビデオにて鑑賞して、感想を書いたこともあります。こちらでした。(http://d.hatena.ne.jp/rairakku6/20080330

プライドと偏見 [DVD]

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今回も、少しづつ読んで、感想を書いていくことにします。
◇第1章
 > 独身で相当の資産のある男性は当然細君が必要であるというのは世間一般にみとめられた真理であります。
 この真理は人々の胸中にがんとして根をはっていますのでそのような資格をそなえた男性が近所に引っ越してきますと、その考えにも気持ちにもおかまいなく、その男性はそこら近所のたれかれかの正当な所有物としてみなされるのであります。


という出だしではじまります。近所に引っ越してきたのは、気さくで朗らかなビングリーと、対照的な性格のダーシー(気位が高く、周囲と打ち解けようとしない性格を持つ)の二人の独身男性。
娘をもつ家庭では、当然のように心浮き立つ様子が描かれます。


◇第2章
 どうやって、近所付き合いをはじめようかということですが、まずは家の主人が引越ししてきた相手宅を訪問し、その返礼の訪問、正餐への招待・・・となります。しきたりのようなものがあって、なかなかたいへんそうです。


◇第3章
 正餐への招待の場面
  5人の娘のいるベネット家に話題の人物、ビングリーとダーシーが招かれます。ビングリーは長女ジェーンと楽しそうに踊りますが、ダーシーの方は、高慢で超然としていてみんなの仲間にはいらず、お世辞に耳をかたむけないことがわかってきて、みんなの嫌悪を呼び起こしてしまいます。
こと、次女エリザベスのことを、(踊りに誘ってみたらと、言われた時に)
>「まあまあというところだね、がとてもわたしの気をひくほどではない。それに今はほかの男どもに軽んぜられた娘に箔をつけてやるような気分ではないよ。・・・・」(P.11)
などと言っているのです。
こんな事を言われれば、好感をもたれる方が難しいですね。


ここまでのあらすじです。とり立てての事件があるわけではありませんが、後の章で、次女エリザベスの聡明さとはつらつさに気づいていくダーシーの心の変化など、これから見所が待っています。


きょうはこのあたりで、次回は第4章からです。
※参考にした本・・講談社「世界文学全集」オースティン 高慢と偏見、説得 より