夢をみる作家たち(5)


写真は、京都の常寂光寺の多宝塔です。紅葉をお楽しみください。

きょうの、「夢をみる作家たち」は、リチャード・フォードさん。

印象深い箇所を、書きます。


・ぼくの書くものから他人が何らかの観念を抽出するそんなものを
書こうとしている。
・読者となる人たちに、人生の細部に対して興味を持って
もらうことを狙っている。

・ぼくがいつも書こうとしているのは、困難を生き抜いていく人たち、
愛情を絆にして他人と結びつこうとする人たちだ。言葉は、こうした人と人との
つながりを形成する主要な手段になるから、ぼくは言葉に興味を持っている。
・ぼくはつねに、文学を象徴より下のレベルに降ろそうとしている。

・ぼくはつねに、人々の営みのうちで最も重要なことについて書こうと勤めている。人が生きていくうえで最もストレスを感じる場面、最も情熱を感じる場面、そしてそれにどのように対処し、どうやってそれを乗り越え前に進んでいくかを書こうとしている。・・・
・文学はぼくたちにこう言いたいんだ。「ほら気をつけろ。それは真実か。ほんとうか。嘘ではないか」ってね。
・いったん喪失感を言葉に表せるとわかると、大切なものを失ったことが人生における一事実となって、それを乗り越えられる。
・話し手は、相手が使えるだろうと思うことを話すべきだ。相手をただの受け皿にして、自分の人生の浮き沈みや犯した過ちのすべてを話して聞かせるべきじゃない。だから、ぼくは夢について話すのは好きじゃないんだ。
文学は作家から読者への贈り物という考えの方がぼくは好きだよ。

 フォードさんは、困難に立ち向かう人々の姿を澄明で簡潔な散文体で描き出す方だと、書いてありました。
意見がまとまらないので、今は書き出すだけにします。


Richard Ford1944年、ミシシッピ州ジャクソン生まれ。
処女作「心のかけら」
おもな作品に、「究極の幸運」(The Ultimate Good Luck)
「スポーツ記者」「ロックスプリングズ」
「母の思い出」「ワイルドライフ」がある。