「屋久島ジュウソウ」を読んで


今日は、近頃読んでいた、森 絵都さんの『屋久島ジュウソウ』のことを書いてみます。この方の本を読むのは初めてでした。
なぜ、手に取ったかと言いますと、2つ理由があるのですが、1つ目は、知人の紹介で名前を知り、森絵都さんは、どんな文章を書かれる方だろう、と思ったこと。2つ目は、この夏、娘が屋久島を旅行し、「来年も、屋久島にまた行くんだ・・・。」と、感激した様子から、「屋久島・・ってどんな所だろう。」と思ったことからでした。

屋久島ジュウソウ

屋久島ジュウソウ

森絵都さんは、1968年東京生まれの方で、「リズム」で、作家デビュー。2006年、短編集『風に舞い上がるビニールシート』で、直木賞を受賞された方です。(知らないのは私くらいで、皆さんご存知かもしれませんね。)
屋久島ジュウソウ』は、森さんとこの本の写真とイラストを書かれた方と、さらに3人の編集者、ガイドさん、6にんの、屋久島を実際に、登山・縦走される様子が、書かれています。


かなりハードな旅だったようです。私も読みながら、いっしょに登山をしているような気持にさせてもらいました。引き込まれる・・・、いつのまにか、ハイな気分になって、読んでいました。
また、読みながら、6人の間で、交わされる会話も楽しく、コミュニケーションの楽しさを、味わうことができました。


屋久島の自然のすばらしさに触れてある箇所、2つ書いてみます。
①「ウィルソン株」のところ・・・・
>女組三人で足を踏み入れたとたん、三人揃って「ふわ〜ん」と顔を弛緩させてしまった。なんだかとても柔らかく、安心なものに包まれたような居心地のよさ。ワイルドな森のなかで、そこだけが別空間のようにしっとりと落ち着き払っている。
静やかで、清らかで、ほどよく冷ややか。見上げると、屋根のないそこには周囲の梢からの木漏れ日がふってくる。ここにすめればいいのにと私は思った。


②>木立の合間から、ちらちらと光る川面が見え、私は吸いよせられるようにそちらへあゆみよっていき、大きな岩肌に腰掛けた。
白く弾ける川の流れを追っているのが心地よく、どうせ休むならしばらくここにいたいと思った。迸る水音が妙に心を鎮まらせた。


屋久島ジュウソウ』読後の感想として、森絵都さんの本、こらからも読んでみたいと思いました。
(この本には、まだ読みかけなのですが、海外の旅行記もあります。こちらも楽しみです。)
写真:屋久島です。

※『屋久島ジュウソウ』についての書評、コメントをいただいた藍色さんのブログにも書いておられます。
(こちら→http://1iki.blog19.fc2.com/blog-entry-980.html
 ブログを通して「読書会」をしているようで、楽しい気分になりますね。