ターシャ・テューダーさん


年の瀬も迫り、心は走ります。
しばらくは、落ち着いて文章が書けそうもないので、好きな本から、
詩を1篇載せます。



愛しい人によい朝を


雲が散ってゆき、夜明けが訪れる
   悲しみは闇とともに消えるように
風よ、やわらかに吹き来たって、ヒバリよ、高く舞って
   愛しい人が喜ぶように
翼を風にかりて、さえずりをヒバリにかりて
   よい朝を、わたしはとどけたい。
小鳥たち 羽根光らせて、ウグイス高くうたって
   愛しい人に よい朝を
   愛しい人に よい朝を
   歌声を小鳥たちにかりて、とどけたい。


赤い胸のコマドリ、巣から起きいでて
   歌って、あぜや畑の小鳥たち
笛の音色の歌を、のどからひびかせて
   愛しい人が よい朝を迎えるように
やぶや木立のクロウタドリツグミたち
   ムネアカヒワにスズメたち、翼光らせて
鳥たちよ、うつくしき妖精たちよ
   愛しい人が よい朝を
   愛しい人が よい朝を
   わきあがる鳥の歌声で、迎えるように。

              トマス・ヘイウッド

 『心に風が吹き、かかとに炎が燃えている』の(P.7)より抜粋しました。