『知的生活の方法』


昨日は、小林秀雄さんの『近代絵画』を読んだ感想を少し書いたのですが、同時進行で、同じく梅田さんのお薦めされていた、4冊のひとつ、『知的生活の方法』も読んでいました。

 この本は、私のまだ若かった頃に読んでとても心に残っていた本でしたので、梅田さんがこの本のことを書かれたとき、とても懐かしい気持でした。家のどこかにあるはずと探しましたが、見つけることができなかったので、又図書館のお世話になる事に。

 (生涯学習)・・・・「何についてでもいい、一生学び続けられる人になりたい」というのが若い頃の夢でした。人生の過ごし方的な本を読むのが好きな学生だったので、この本も熱心に読んでいたのです。その結果は、はたして・・・(笑いですが。)
 読み返してみると、さすがに、忘れていることが多くて新鮮な気持です。

本文の中からひとつ、「溶鉱炉と知的生産」(P.175)

>頭の方も中断されることなく集中すれば、温度がだんだん上がってきた溶鉱炉のごとくに、ようやくその状態においてのみ期待される機能を発揮するのである。(P.175)
ここにも書いてあるように、本を読むときでも、資格の勉強をするときでも、まとまった時間を持つように心がけると、集中できて思わぬ収穫があるものですよね。


 もうひとつ、「コウスティング」(P.185)

>この単語は、元来船が大洋に乗り出さずに沿岸航海をすること、あるいは、自動車がアクセルを踏むのをやめて惰力で走ったり、飛行機がエンジンをとめて滑空することなどを言う。これを人間に当てはめた場合は、知的な努力をやめて、しばらく無努力の状態にもどることである。長期にわたって知的生活を送ることに成功した人は、本能的に健全な退行、つまりコウスティングをしているようである。


知的生活の方法 (講談社現代新書)

知的生活の方法 (講談社現代新書)