フェルマーの最終定理(2)


きょうは、『フェルマーの最終定理』の本の感想の続きを書いてみます。
この本を読んでいると、数学の難しい問題の解説を読むのとは違って、いろいろな方のドラマを、小説のように読むことが出来ます。きょうは、その中でフェルマーの定理を証明されたアンドリュー・ワイルズさんの言葉から、いくつか抜き書きしてみました。


覚えておきたい言葉

「大事なのは、どれだけ考え抜けるかです。考えをはっきりさせようと紙に書く人もいますが、それは必ずしも必要ではありません。とくに、袋小路に入り込んでしまったり、未解決の問題にぶつかったりしたときには、定石になったような考え方は何も役にも立たないのです。新しいアイディアにたどりつくためには、長時間とてつもない集中力で問題に向わなければならない。その問題以外のことを考えてはいけない。ただそれだけを考えるのです。それから集中を解く。すると、ふっとリラックスした瞬間が訪れます。そのとき潜在意識が働いて、新しい洞察が得られるのです」(P.259)


「最初の部屋に入ると、そこは暗いのです。真っ暗な闇です。それでも家具にぶつかりながら手探りしているうちに、少しずつ家具の配置がわかってきます。そうして半年ほど経ったころ、電灯のスイッチが見つかるのです。電灯をつけると、突然に部屋のようすがわかる。自分がそれまでどんな場所にいたかがはっきりとわかるのです。そうなったら次の部屋に移って、また半年を闇の中で過ごします。突破口は一瞬にして開けることもあれば、1日、2日かかることもありますが、いずれにせよ、それは何ヶ月ものあいだ闇の中で躓きながらさまよったからこそ到達できるクライマックスなのです」(P.292〜293)


「大人になってからも子供のときからの夢を追い続けることができたのは、非常に恵まれていたと思います。これがめったにない幸運だということはわかっています。しかし人は誰しも、自分にとって大きな何かに本気で取り組むことができれば、想像を絶する収穫を手にすることができるのではないでしょうか。・・・・・(略)・・・・・」(P.369)


 この言葉は、私の生活の上でも大切な考えではないかと思いました。アンドリュー・ワイルズさんのまねはできませんが、問題に突き当たった時や、いま自分は何をしているんだろうと、暗闇をさまよっている気持がした時に、もし思い出す事が出来るとしたら、希望の光として、力強い励ましの言葉になるような気がします。

フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで

フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで


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※右上の写真は、「イチハツ」(アヤメ科)の花です。花言葉:敬意


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(散歩タイムの1枚)
 特になにが・・という写真ではありませんが、初夏のようなの雲に目が行きました。