『サイレント・ガーデン』
今朝は、以前『横浜逍遥亭』 http://d.hatena.ne.jp/taknakayama/20070714 にて紹介しておられた『サイレント・ガーデン』の文章の中から、気になった箇所を私の覚え書きのようなものですが、書いておきたいと思います。
私は、武満徹さんのことを知らなかったのですが、mmpoloさんhttp://d.hatena.ne.jp/mmpolo/20070514/1179089546 や、『横浜逍遥亭』のブログで少しずつ興味を持ちました。
- 作者: 武満徹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1999/10
- メディア: 単行本
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武満さんが、退院したらゆっくり作品を書こうと、タイトルを考えておられ・・・・そのタイトルのひとつに、『沈黙の庭』Silent Garden というのがあります。武満さん ご自身、(この題比較的気に入った。)と書いておられますが、それに続く文章が、なぜか私の心に印象深く残りました。
>>早朝の庭では樹陰から夜がすばやく立ち去ろうとしている。鳥たちが歓びのうたをうたいだす。太陽がおくればせに射しこむ。この時庭は他の時間帯よりも饒舌に話し出す。外に向って。
夜の庭は思索的である。宇宙の気配にじっと耳を傾けている。深夜は目覚めている鳥や獣たちの行方を、夜の手の迷路のような掌紋のなかにどこまでも追っている。夜の庭は語っている。内に向って。
真昼の庭は沈黙している。太陽は天頂に、物は影を喪う。外界の賑わいとは反対に、この時庭は、巨大な沈黙のすがたを見せているのだが、人間(ひと)はそれに気付かない。真昼の庭は沈黙している。世界を拒むように。(P.42)<<
ここを読んでいると、音楽を聴いているような・・・不思議な世界を見ているような気持ちがします。
有名な作曲家である武満徹さんの、作曲された“作品”のほうも、近いうちに聴いてみたいと思います。
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