サイラス・マーナー(2)

近頃読んでいる本、ジョージ・エリオット作『サイラス・マーナー』、前回に引き続き、少し書いてみます。
今日はインターネットでジョージ・エリオットについての記述を読んだり、購入した本を開いて訳者の違う文を読んでみたりしました。
これまで 土井治さんの訳で読んでいたのですが、手元に届いた本は、工藤好美さん、淀川郁子さんの訳となっていて、違う翻訳者の文章を読んでみると、物語の雰囲気が少し違うものだと感じながら読んでいました。
また、出版社が違うと解説も違ったものが読めて別の楽しみがあります。


私の感想はまだ書けそうもありませんので、訳をされた工藤好美さんの解説の中から少し抜書きさせていただきます。


>>『サイラス・マーナー』にはすぐれた民芸品を思わせるような、おうようで、めでたい芸術性がある。このような作品は個性的な作家が対象と一致することによって自己の制限を越え、個人のさかしらによるのではなく、自然と親しく暮らしている質朴な人々の集合的な知恵と想像力をはたらかせることによってのみかかれるのであろう。真の芸術品は作者が作るというよりも、むしろ作者の手の中で作品がそれ自身の形をとると言われる。たしかに『サイラス・マーナー』にはそうででもなければ説明しようのないすぐれた自然らしさと客観性がある。
(世界文学全集6 二都物語、サイラス・マーナー 出版社 河出書房 解説より)


◇しり切れトンボですが、つづきはまた後日書くことにします。