ローマ人の物語

 気が向いた時に少しづつ読んでいる『ローマ人の物語』、紀元306年から337年コンスタンティヌスの時代に入りました。
権力を握るまでの過程には、実の子であったり、奥さんであっても、親族であっても、敵対することもよくある話の時代です。戦場に出ていることの多い人生を送り、皇帝とは言っても、いつすべての権力を失って命までもなくしてしまうかもしれない状況を、これでもか・・・というほど見せられます。
 日々、どこかからだれかが攻めてくる、というような不安な時代なんですね。それに比べると、そんな不安な気持ちを持つこともなく日々を過ごしている私。現代ではあたりまえのことが、ひと昔前の人々にとってはあたりまえのことではないんですよね。改めて、そのことを考える読書です。
 
 今日読んだところで、おもしろいなと思ったことに、コンスタンティヌス帝の凱旋門のことがありました。
ローマの名所旧跡では最も有名なひとつであるこの凱旋門ですが、この凱旋門の作り方について詳しく記述されていました。
 完成するにあたって、あたらしく制作するものだけではなく、いろいろな時代の浮彫や彫像をあちこちから集めてきて、その集合体となっているとのことでした。
パッチワークのように、あちこちからはぎ取ってきてくっつけてあるのです。
 美しい造形で有名なこの凱旋門ですが、凱旋門ひとつとっても、なかなか興味深いものがあります。

 読み始めはなかなか気持ちが集中しなくて話がよくわからなかったりしますが、それでも読み進むうちにおぼろげながら、コンスタンティヌス帝の時代の様子が目の前に浮かんでくるようになってきます。・・・・などと読書にふけって遊んでいましたが、そろそろ現実に戻って家事に取り掛かります。

ローマ人の物語〈36〉最後の努力〈中〉 (新潮文庫)

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