『誰かのためなら人はがんばれる』を読む

 先日ひさしぶりに書店をぶらぶらしました。もともとは書店大好きの私なのですが、近頃は様変わりしてインターネット利用が増えた分、書店から足が遠のいていました。
 インターネットで本を探すのも大変便利なのですが、直に本の陳列を眺めて歩く良さも格別だと感じます。書店の店員さんのお薦めのコメントを読むのも楽しいですし、新刊コーナーであったり、今ブームとなっているのはどんな本なのかとか、書店ごとに特徴もあって、しばしの時間を充実して過ごせてとても得した気分に浸りました。
 その時に見つけた、木山啓子さんの『誰かのためなら人はがんばれる』、タイトルに惹かれ手に取ってみました。
 本の帯に書かれていた、ほんの少し、見方、ものさしを変えてみると、今よりずっと生きやすくなる。 いきいきと毎日を過ごすため、なにかヒントがありそう。そんな気がしたのかもしれません。

 本文の中で、次のところが印象深く、心にずっしりと響いてきました。


・・・「生きてるだけで100点(満点)」という言葉を私たち門下生にかけてくださいました。
 これは、毎日を楽しく幸せに生きるためにはとても大切なメッセージです。・・・(p.103)

 誰の人生にも、辛い問題や課題はあるものです。けれど、そういった問題や課題も、自立していれば乗り越えられます。そして、この自立の前提が自己肯定です。・・・(p.219)

 ここで言う「自立」とは、必ずしも経済的自立のことではありません。「自己を肯定し、降りかかる災害や苦難をも自分のこととして引き受け、よりよい未来を信じて進んでいく力」とでも言うべき人間の底力のことです。・・・・・自立は、支え合う仲間を見つけて、一緒に、けれど自分の足で前に進んでいくことです。(p.218

 「自立」とは何だろう? ・・・そう疑問に思っていましたので、この文章に出会った時、とても新鮮で、しかも腑に落ちました。

誰かのためなら人はがんばれる 国際自立支援の現場でみつけた生き方

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