鏡開き


きょうは、「鏡開き」をします。
この行事は、年の神が宿っていて神聖視された鏡餅をおろして、お汁粉に入れたり、雑煮にして食べる行事です。鏡餅は固いので割りますが、縁起をかついで
“開く”といういい方をします。(参考:「行事としきたりの料理」婦人画報社 文、宮田 登)


資料を読んでいると、鏡餅の1部は氷餅にしておき、6月1日の歯固めのときに食べたという地域もあるそうです。
氷餅で、ふと昔を思い出しました。私の祖母が生きていた時、夜なべして祖母が氷餅を一生懸命作っていて、手伝ったことがありました。お餅がとても固くて、包丁で切るのですが、力仕事でした。
今の時代だったら、お店に行けば、おいしいおかきやあられなどが、よりどりみどり。
でも、自分が作った、氷餅を油で揚げたり、焼いて食べる時の、目の前で、ふわーっと、ふくらんでくる光景は、思うだけでも、ごくりと生つばを飲み込むようです。
こういう経験を、近頃はなかなかできないので、忘れないように、伝えないといけないなと、思いました。
そんなことを考えながら、哀れにも、アオカビのびっしり付いた鏡餅を、削りながら、「今夜は、ぜんざいにしようね。」と、言っている私でした。