本の周辺のこと

[花]チュ−リップ

カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』を読んでいます。
翻訳をされた方は、土屋政雄さん。
はじめから、とても読みやすく、話の中にすっと入っていける本でした。訳をされる方によって、印象がずいぶん変わって来ますので、本文もよいのでしょうが、訳されている日本語も素直に心に入ってきて、おもしろそうだな・・・と思いました。
周辺のことばかりになりますが、以前読んで印象深かったアゴタ・クリストフ悪童日記』がありますが、この本は、発行所が早川書房。今回の『わたしを離さないで』も、同じく早川書房。印象深い本を、どんどん発行し、日本に海外のよい本を紹介されているんだと、ありがたい気持ちになりました。
訳者で思い出すのは、ハリー・ポッターのシリーズを翻訳された、松岡祐子さん。松岡さんが、第1作目の『ハリー・ポッターと賢者の石』のあとがきでこう書いておられました。
>「ハリー・ポッターに出会ったとき―それは不思議な出会いだったが−私は血が騒いだ。これだ!天が私に与えた本だ。大げさでなくそう思った。ハリー・ポッターの世界を英語で読んだこの面白さを、そっくりそのまま日本の読者に伝えたい。それが私の使命だ。そう思いこませる何かがこの本にはあった。・・・・」

作者と出版社、編集者、翻訳者・・いろいろな出会い、チャンス・・・そこには、数々のドラマがあると思い、ストーリーの面白さと同時に、周辺のことでも、興味深く、私の思いは広がっていきました。

つづきは、又後ほど。
右上の写真は、今日が立春ということもあって、春らしい花の写真にしました。

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