Kazuo Ishiguro(カズオ・イシグロ)『わたしを離さないで』を読んで

あらすじを書いてみたいところですが、それをお話しすると、これから読まれる方の楽しみを奪ってしまいそうなので、できるだけ控えて紹介します。
途中からは、まだしっかり読めていないのですが、登場人物たちが、私の心の中でいきいきと動き回って、話の展開に目が離せません。
青春時代のいろいろな悩み、いじめの問題、教師のあり方、医療に関すること。いろいろな問題が淡々と語られますが、決して薄っぺらでなく、話もそらさず・・・と言う感じで、書かれています。主人公キャッシーが育ったヘールシャムというところも何の施設だろう?と、読み進まないとわかりません。親友のトミーはいじめられてばかりの少年ですが、ある時から彼は、大きく変わります。それには、先生が関わっていて・・・。
もうひとりルースの存在。彼女も重要な役割があります。
1冊を読む間に、若者たちが、成長していき、自分もいろいろな問題を一緒に深く考えました。途中を少し飛ばしながら、最後あたりを読みました。フィクションだと言うことを忘れてしまいそうでした。あたかも、親友が残酷な運命の中で、消えていくような気がして、ずっしりと、心に応えました。(飛ばして読んだ所、ゆっくり読み返します。)