植物の成長と読書タイム
秋に種まきをした植物の様子を少し写真にとってみました。
(左)パンジー
(右)デルフィニウム
(左)ルピナス
(右)ノースポール
(右)忘れな草
(右)シラー・カンパニュラータ
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休憩の時間、きょうは大江健三郎さんの『あいまいな日本の私』を読みました。この本の内容ですが、>1994年ノーベル文学賞受賞記念講演ほか、全九篇の講演に語られた、深く暖かい思索の原点と現在(表紙の裏の文章より抜粋)・・・と書いてありました。
近頃大江さんの著書を何冊か続けて読んでいますが、同じ作家の本を読むことを積み重ねていくと、それまでは読みとれなかったことを発見する楽しみが出てきます。村上春樹さんの『海辺のカフカ』を読み始めたときに最初「えーっ・・。」とためらっていた頃が遠い昔の事のように思えるこの頃で、1年余りの間に、村上春樹、開高健、永井荷風、大江健三郎・・・ずいぶん読書傾向が変化し大人の文学に多く接するようになりました。
また以前には、読書感想を話したり書いたりすることは自分の心をさらけ出す事でもあると、かなり抵抗もあったのですが、少しずつ心をオープンにし、表現しようと試みるようにもなってきたかもしれません。これもブログで皆さんの文章を読み影響されたことです。
『あいまいな日本の私』のなかにもありましたが、
>> 今日、このニューヨークでも日本経済は大声で存在を主張しています。ところが人間の全体性としての日本人は、透明人間のように、あなた方には見えないままなのではないでしょうか?・・・・・(省略)・・・こういう具体的で根本的な危機において、日本文学は近代化以後持ち続けた性格をつくりかえねばならぬと思います。日本とはどういう国か、日本人とはどういう人間かについて、西欧、アメリカに向って、またアジアに向けて語りかける、その積極的な意思を日本文学はかためなければなりません。(P.202より)