カラマーゾフの兄弟(2)

昨日「『カラマーゾフの兄弟』週間を始めます。」と書きましたら、数個の☆マークをつけてくださったので、「書いてもいいよ。」と背中を後押ししていただいたような気持になり、元気に読書感想ブログ街道を進み始めました。この調子で読み通せればありがたいなあと思います。

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

さて昨日は序文の「筆者より」の事に触れただけで、1篇の内容を書けなかったのでそのあたりを少し書いてみます。
話は主人公アレクセイの父フョードルが13年前に悲劇的な謎の死をとげたという衝撃的な内容ではじまります。しかし、すぐにそのいきさつに移るのではなくその悲劇が起る前、まず主人公達(家族)のことやアレクセイに特別大きな影響を及ぼしたゾシマ長老の紹介が綴られています。


家族の性格などを少し抜書きしてみました。
〇家族
父(フョードル)・・・ほとんど無一文からなりあがった零細の地主、一風変わった、ろくでもない女たらし、財産上のこまごまとした問題だけは実に手際がよい。分別のない非常識人
長男(ドーミトリ)・・・幼い時、伯父に引き取られて育つ。いくらかの財産はあったが、飲んだくれたりお金を使い果たしたりしていて、父とも財産問題でかかわり中。
次男(イワン)・・・学問があってプライドも高く、いかにも注意深そうな青年。
三男(主人公のアレクセイ)・・・年若い博愛主義者。誰からも愛されるような特別の才能を持ったような青年。極度の羞恥心と潔癖さを持つ。ゾシマ長老にあこがれ、修道院で見習僧をしている。
母(アレクセイが4歳の時に亡くなった)・・・清純で美しい女性だったが、不幸な生い立ちだった。
長老(ゾシマ長老)・・・アレクセイが尊敬してやまない方


この1篇を読むだけでも、物語としておもしろく読めます。主人公アレクセイに着目して読み進めようと思っているのですが、ここでは父フョードルの存在感が大きく、ドストエフスキーはこの父を通して表現したい事がたくさんあるんだろうな、そう思えてきます。
また、主人公としているアレクセイがなぜ修道院の見習僧となって登場したのだろうかということ。


2編も少し読んでみましたが、明日は物語が動き出すのかもしれません、ドーミトリと父の財産問題での話し合いを、修道院でゾシマ長老に立会いになってもらって行われる場面です。そこで、家族がはじめて一堂に会します。はたして、家庭内の不和に終止符が打たれるのでしょうか。

2編の目次だけ書いてみました。
 第2編 場違いな会合
 1 修道院にやってきた
 2 老いぼれ道化
 3 信仰心のあつい農婦たち
 4 信仰心の薄い貴婦人
 5 アーメン、アーメン
 6 どうしてこんな男が生きているんだ!
 7 出世志向の神学生
 8 大醜態
  
きょうは、このあたりで。