『ローマ人の物語』を読んで(8)
少しずつでも、感想を書いていくようにしようと思っています。ということで、きょうは第3章のポンペイウスの時代(紀元前78年〜前63年)から。
この章までが、「勝者の混迷」に入っているのですが、どんなところに“混迷”があるのでしょうか。
ローマ世界の内部闘争の影響で、追われる身となった人物(セントリウス)という人の率いる軍勢とローマの軍勢が戦う場面で、こんな文章がありました。
たとえ地方出身者ではあってもローマ市民であるセントリウスには、「スッラ体制」の支配するローマに反対する気は十分でも、ローマの国家自体に対しては、他民族と共闘して刃向う気持にはどうしてもなれなかった。彼は、ポントス王の申し出を拒否する。ただし、ポントス軍の指導教官としてならば、部下の将官の幾人かを派遣することは承知したようである。ローマ人は、自分たちの間で争う時代になっても、他民族と呼応してまで自国を脅威にさらすことをしなかった点では、当時の他の民族とはちがっていた。(P.198)
※ポントス王・・・オリエントの王で、ローマの属州へと攻め入りローマに対抗する立場でした。
ここを読んでいる時、日本での“幕末”の様子を思い浮かべました。同じように内部闘争があり、諸外国の力もまわりにいろいろあったようですし、似た状況だったのかと。日本史に詳しいわけではないので、これ以上のことを書けませんが、『ローマ人の物語』を読んでいると、日本ではどうだったろうかと、日本史への関心も高まります。
きょうは、このへんで。
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