『46年目の光ー視力を取り戻した男の奇跡の人生』を読む

 先日『横浜逍遥亭』にてご紹介のあった本『46年目の光ー視力を取り戻した男の奇跡の人生』( http://d.hatena.ne.jp/taknakayama/20090727/p1)を読み始めました。
 まだ半分くらいしか読めていませんが、少し感想を書いておくことにします。
 
 主人公は、登場人物の紹介にも書いてありますマイク・メイという実在の方です。3歳の時に不慮の事故で失明をされますが、この本では、小さい時からの生活の様子やいろいろなエピソードが目の前で起こっているかのように語られて行きます。
 読んでいると、目の見える人でも挑戦しないようなことでも、どんどん進んで行動を起こしておられるのにびっくりします。またそれをそばで見守っておられるお母さんの様子にも驚きの連続です。
 自分が母親だったらどうするだろうかと考えながら読んでいると、過ぎてしまった子育てを振り返り反省したり、活力をもらったりできます。
 筆者のロバート・カーソンさんは、2年間にわたり長期間の取材を重ねこの本を書きあげられたそうですが、いろいろな人物の詳しい記述は、登場人物の数ほどのそれぞれ物語があり、医学に関して、目が見えないということがどんな世界かということへと想像の眼をむけること、思春期の女性への関心、夫婦のいろいろな問題・・・など、書き出すときりがないほど、いろいろ興味深い内容がありました。

 印象的だったのは、主人公メイが西アフリカのガーナに留学した時マラリアに感染し、やむなく留学を途中でやめて帰国することになりました。その時に、メイが心に誓ったことです。
「二度とこんな悔しい思いはしたくない。どんなにつらくても、次は最後まで頑張り通すぞ、と。」
 ガーナでの生活は、想像を絶する過酷な日々。 想像を絶する孤独な夜。
 それだけでもおじけづきますが、メイが一番悔しかったのは、自分で始めた冒険を最後まで見届けずに途中でやめる羽目になったことだったそうです。

 本文の最初に引用してある、セーレン・キルケゴールの言葉
 ― 勇気を持って挑戦すれば、一時的に足場を失う。
  だが挑戦しなければ、自分自身を失う。
 上の言葉も、心にズシリと響きます。
 
 メイのとった行動を読むことで、いつのまにか多くの刺激をもらった気がします。


 手術後の様子はこれからの読書になりますが、また追加して感想文を書きたいと思います。

46年目の光―視力を取り戻した男の奇跡の人生

46年目の光―視力を取り戻した男の奇跡の人生