『ふまじめ介護』を読む

 最近自分も両親も年をとってきたということなのか、“介護”という言葉をきくと目と耳がその情報へと向いていきます。
ずいぶん前になりますが、NHKの番組で女性講談師の方が『介護談義』をされていました。それを聞いているたくさんの方たちが、大いに勇気づけられたり、大笑いをしたり・・・と話題になっているとのことでした。
 その講談師の方は、現在も義理のお父さんを在宅介護しておられるそうで、テレビでは義理のお父さんの介護の様子などの映像もありました。その様子は、まるで漫才をされているのかと思うような、介護される人と介護する人との言葉の掛け合いに驚きました。
介護疲れからの悲しい事件をよく耳にする中で、田辺鶴瑛さん(講談師の方)の介護の様子を見ていると、少しでも明るい介護をするためのヒントを与えてもらえそうな気がして、この方の書かれた本が出ているとのことで早速注文してみました。

ふまじめ介護―涙と笑いの修羅場講談

ふまじめ介護―涙と笑いの修羅場講談

 「ふまじめ介護」という題名に、なんでふまじめ?と躊躇されるかもしれませんが、本文を読みながら「無理をしない」ということは大切そうだと特に感じたので、ふまじめ=無理をしない、ではないかもしれませんが、そのくらいの気持ちのゆとりを持った方がいいのかもしれないと受け止めました。
 作者の田辺さんは、18歳から3年間、脳動脈瘤で入院する実母に付き添い、30代で義母、そして現在義父を介護しておられ、これまでの経験をふまえ、そしてさらに、ホームヘルパー2級も取得して、みずから介護の現場も経験しておられます。
 これから両親かもしれないし、自分が介護される立場になるかもしれないし、先のことはわかりませんが、この本は読めば2・3時間位しかかかりませんが、介護のことを考える時の“ヒント”がちりばめられていて、元気が出てくる内容でした。

 また読んでいて気がついたことですが、「風通しを良くする」ということも、大切なのかもしれません。
自分だけで介護のいろいろなことを解決しようとせず、介護保険のサービスとか、施設の利用とか、プロに頼めることはお願いするとか・・・・。いろいろな方法があることも勉強になりました。
 介護もひとそれぞれで状況が皆違っているでしょうから、こうすれば一番良い方法だというのもなかなかわからないでしょうが、これからもときどき関心を持って「介護」の本を読んでみたいと思いました。