『グリーン革命』(7)

 第6章 ノアの時代
 「森林破壊」が世界のあちらこちらで起こっています。森林が減れば、その影響で、“種の急激な絶滅”を促すことになる、といった内容のことが書いてあります。
私たちが生きていくのには、多様な動植物があってこそ豊かな生活を送れるということ。

・・・・自然の生態系は、地元にスーパーマーケットや水道がないか、あるいはそういったものを利用する金銭的余裕がない人々に、さまざまな便宜や“サービス”を提供している。真水を供給し、小川の汚染物質を濾過し、漁業資源の育つ場所を提供し、浸食を抑え、人間のコミュニティーを嵐や自然災害から防ぎ、作物の受粉を行う虫や、害虫を殺す虫を養い、大気のCO2を自然に除去する。こうした“サービス”は、生活を生態系に直接依存している発展途上国の人々にとっては、なくてはならないものだ。(p.217)

 旧約聖書の中に出てくるノアの時代、大洪水が起きるから箱舟の中にすべての動物のつがいを載せたように、現代において、私たちは箱舟を建造する責任があるのではないかと、筆者は語っておられます。
 私たちが生きていくためには、自然から多くの恵みを受けているけれど(木を伐採すること、海から山から食料となる物を捕獲することなど)、したい放題をしていたのではいけない。限界を設けなければいけないと言っておられました。
 きょうは、この文章を載せてしめくくります。

 どの土地をどう開発するかに目を光らせ、世界市場からの圧力を押し返せるような政府がなかったら、フラット化と人口過密化が重なっている世界の成長を促す圧力が、世界最後の生物多様性を誇る森林や珊瑚礁を呑み込み、世界はますます温暖化が進む。なぜなら、森林破壊はCO2排出の20パーセントを占めているからだ。

グリーン革命(上)