『ローマ人の物語』を読んで(5)

 きょうは、ハンニバル戦記(文庫本では3、4、5冊あたり)を読んでの感想を書いてみます。
ハンニバルと聞くと、世界史の教科書の中で、大軍を率い象まで連れてアルプスを越えているような絵、を思い出します。深くその状況を想像してみることがいままでになかったのですが、
 なぜ、近道のカルタゴシチリア→イタリアを進路とせず、スペイン→ガリア(現フランス)→イタリアの進路をとったのだろうかととても不思議な気持ちで読みました。地理にも歴史にもうといので、地図帳を出したり検索で「ハンニバル、象、絵」で、雪の中のアルプス越えの絵を見たりしていましたら、感想文をまとめるどころか、いろいろなサイトを見て時間がつぶれてしまいました。
 反省して、塩野七生さんの文章に戻り、印象深い文章を2つ抜き出してみます。

ローマ人の面白いところは、何でも自分たちでやろうとしなかったところであり、どの分野でも自分たちがナンバー・ワンでなければならないとは考えないところであった。もはや完全にローマに同化していたエトルリア人は、あいもかわらず土木事業でうでをふるっていたし、南伊のギリシア人は通商をまかされていた。・・・・・P.104,
『ローマ人の物語』3 より
 いかなる強大国といえども、長期にわたって安泰でありつづけることはできない。国外には敵をもたなくなっても、国内に敵をもつようになる。
 外からの敵は寄せつけない頑健そのものの肉体でも、身体の内部の疾患に、肉体の成長に従いていけなかったがゆえの内臓疾患に、苦しまされることがあるのと似ている。−ハンニバルー (リヴィウス著『ローマ史』より)  P.12 『ローマ人の物語 6』より

感想になりませんが、このつづきはまたにします。